これはまだ序章に過ぎない

朝9時前に目が覚めた。ウチから横酷までは1時間かからないので11時半に入りたければこの時間に起きても何も問題ない。実は興奮しすぎてあまり寝れなかった。しかし寝不足などと言える状況ではない。
2月になってから3回目となる電車での移動。初心者のくせに車に慣れているせいか電車での人ごみは車の渋滞より億劫である。自分のスピードで歩きたい自分には乗り換えも嫌になった。
そんな車中、いろんなことを考えた。「たぶんこのゼロックスは当分御縁のない大会になるだろう」とか「天皇杯決勝>>>ゼロックス>リーグ戦の気分だな」とか「怪我人が多いって言ってもマリノスには勝てんだろう〜」とか「今日のヴェルディゴール裏は100人ぐらいしか集まらんだろ」とか考えていた。しかしこれらの妄想のほとんどが良いように裏切られる。
横酷に着いてまず目指したのがグッズの売店だ。前日に「東京ヴェルディ1969&日テレベレーザW優勝記念オフィシャルトレーディングカードセット」を売るとHPに記載されていたので買いに行った。結構良い値はするがここで買っておかなくては次はないのだ。
スタンドは案の定、ヴェルディ側は多くはなかった。しかしこの時点で俺の妄想は少し打ち崩されていた。確かに多くはない。ただこのチームとしては入ってるほうだ。キックオフ1時間半前で既にそう思った。なぜならリーグ戦やカップ戦では東京の隣の神奈川県とはいえ本当にヴェルサポは少ない。サポの少なさを実感するのは横酷や三ツ沢であることの方が多い。
スタンドではハーツさんやヴェルディスタさんなどが緑のボードを配布している。本当にこの人たちはヴェルディが好きなんだな、と少し尊敬してしまう。何もしない俺は彼らには常々感謝してます。
それにしても今日は寒い。実に寒い。誰も誘うことがなかったためにひとりで来てしまい、その寒さが倍増する。キックオフまで時間がありすぎる・・・しかしそんな時間もいつしかなくなりGKの練習時間だ。
このときに思い切って前に行った。今日は6列目ぐらいで応援しただろうか。ピッチとの高低差が少ないために見やすいとは言い難いが1歩でも選手の近くで応援したかった。
選手はサブが戸川ではなく塗師だった以外は予想通り。
試合前にヴェルディ天皇杯の模様が画面で流された。ヴェルディにとってゼロックスはこの優勝の自信を深めるためのものなのか、それともあの優勝によって浮かれていた全員の目を覚まさせる試合となるのか、と少し考えたがゴール裏の俺にとってはどちらも関係はなかった。1試合1試合勝つだけである。それは選手も同じであろう。
試合が始まった。注目は町田だったがまだ出ていない。そこで俺は新戦力のワシントン・戸田に注目した。2人ともヴェルディのパスサッカーに適応できるのか否かも見所であった。
ワシントンについては良い形でボールを貰えてなかったと思う。たまにポストになってボールを裁くものの前を向いてゴールに迫ったのはプレーは多くはなかった。しかし彼自身は体の使い方が非常に上手く少ないチャンスを作り出していた。戸田も前半は無難にこなしている感じだった。とりあえず何も変化のない前半。俺の気持ち的にはリーグ戦と変わらなかった。
後半に入って4−4−2に変更しヤシケンがボランチへ。うちのパスサッカーは林がボランチに居ないと機能しない。だが4バックにしたことで相馬が上がれなくなった。相馬が上がれないからパス回しも消化不良だった。そんな中でワシントンのゴール。正直、ラッキーだった。こんな出来の悪い中で先制点を取ってくれるなんて〜と感激しました。こういう選手はエムボマも持っていたけど彼は怪我やなんやと忙しかった。ワシントンはゴールを決めた後に彼お馴染みのポーズをとってゴール裏に来てくれた。凄く嬉しかった。こういう選手はサポーターからの人気も得ることでしょう。
その後もグダグダサッカーは続き失点。戸田の対応も悪かったけど見事にやられてしまった。
そうすると戸田に代えて塗師早稲田大学に進学した彼が出場した。センターバック塗師・カンジンともの凄い若い2人。
だが微妙なFKを取られ、失点。ハユマか・・・ハユマ嫌い。だけどさらに良い選手になっていると実感した。A3でも少し見たけどあの歳でチームを引っ張っているよね。確かにウチに残ったらヤマタク大先生もヤナギも居たわけだから出場は出来なかったと思う。でも惜しい選手だ。ナビスコ杯で大ブーイング食らわせてやったらゴール裏を寂しげに見てたのが何ともいえなかったです・・・
1−2で迎えたロスタイム。いくらなんでも負けが決定していた。しかしそんな中でまたもワシントン!!
バモバモ!ワシントン、バモ!!
こいつはすげぇ〜買い物をしたと感じた。
そして延長・・・ん?延長はない?PK?PK戦を生で観るなんて何年ぶりだろう・・・凄い緊張した。
まず1人目の林は落ち着いて見れた。ほとんど100%決めてくれるからだ。頼りになる。
2人目のワシントンも安心して観れた。だってあの2ゴールを奪ったワシントンですから。
そしてマリノス3人目の上野を義成がスーパーセーブ。よくやった!!
こっちの3人目は慶行。慶行のPKなんて観たことなかったから若干不安だったけど凄く憎いゴールを決めましたね。
そして問題の4人目。一樹がPKスポットに歩き出す。ゴール裏もざわめく。「え?一樹?待て!ちょっと待ってくれ!!」そんな雰囲気だった。だが彼はそんな雰囲気もものともせず決めた。
彼は着々と成長している。だが俺はまだ認めない。一樹はもっと出来ると確信しているし、まだまだ緑の11番を汚していると思う。
5人目のカンジンも不安だった。こんな大舞台で任せれるのか、不安ではあった。カンジンはプレー中も不安である。カンジンのサイド狙われてんじゃねぇ〜か?とかパスが来てもあたふたしているイメージが俺の中でまだ残っている。だが彼も着々と成長している。洪明甫を抜く日が楽しみである。その日まで緑のユニフォームを着ていて欲しい。
そしてゴール。勝った。またしても優勝してしまった。しかしコンディショ・コンビネーション共にまだまだの状況である。この1勝を自信にリーグ戦へと向かって欲しい。
そして新ユニフォームであるがアウェイ版はなかなかカッコいいと思った。サイバーエージェントの緑のマークが白に映える。アウェイのユニが発売されたら間違いなく「9」を付けたい。ホーム版は大悟に決定しているし。しかし大悟は良くなかった。頑張って調子を上げてくれ!!